廃車に繋がれ飼育放棄されていた子犬が保護され、再び人間に心を開いてくれた瞬間。
東ヨーロッパに位置する人口750万人ほどの国、ブルガリアでの出来事です。村の住人の女性が、「トレーラーに繋がれっぱなしの子犬を救助してほしい」、と地元の動物保護団体に連絡を入れました。
すでに保護施設内は満員で、新たに受け入れる余裕がなかったため、スタッフが詳しく女性に話を聞くことに。
「子犬が伝染病を持っているから、という理由で誰かがトレーラーに括り付け、たまたま通りかかった人が水とパンを与えるのみで、すでに10日余りが経過している。伝染病が人間に移るから決して触ってはいけない、と村中の人から見放されている。」
という内容だったため、早速救助に向かうことになりました。
数人のスタッフが現場に到着して目にしたものは、頑丈な鎖を首に巻き付けられ、廃車のトレーラーに繋がれた子犬の姿でした。子犬の周りには排泄物が散乱し、ハエが飛び交うような不衛生な状態で放置されていたのです。
何一つ抵抗できない子犬の悲しみは、どれほど深いものだったか計り知れません。
子犬は10ヶ月ぐらいに成長していると思われました。スタッフの姿を見た子犬は、当初怯えている様子でしたが、優しく声を掛けられて安心したようです。
男性スタッフが差し出した手を何度も舐めて、精一杯の感情を伝えてきます。頭を触られるときは少し逃げるようなそぶりを見せますが、叩かれないことによほど安堵したのか、尻尾をパタパタ振って喜びを表現しました。
「デューク」と名付けられた保護犬は、保護施設がいっぱいだったため、男性スタッフのトニーさん宅で養生させることになります。